つむじの薄毛を目立ちにくくする髪型とカットの工夫|理容師が解説

つむじ周辺の地肌が見えるようになり、「薄毛が進んできたのではないか」「どんな髪型にすれば目立ちにくくなるのだろう」と悩んでいませんか?
つむじは髪が渦を巻くように生えているため、もともと地肌が見えやすい部分です。特にシャンプー後など、髪が濡れているときに気になりやすい方もいらっしゃいます。
一方で、薄毛ではなくても、つむじ周辺の髪が放射状に立ち上がったり、毛流れがまとまりにくかったりして、セットに苦労する方もいます。
私は40年以上、理容師としてさまざまなお客様の髪をカットしてきました。その経験から感じるのは、つむじを目立ちにくくするために、単純に短くしたり、長く残したりすればよいわけではないということです。
大切なのは、お客様が希望する髪型を理解したうえで、つむじの位置や毛流れ、髪質、毛量、頭の形などに合わせてカットすることです。
この記事では、理容師として実際に経験してきたことをもとに、つむじ周辺のカットの工夫や、自宅でセットするときのポイントをご紹介します。
つむじが気になる原因は、薄毛だけではありません
つむじが気になると、薄毛が進んでいるのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、つむじ周辺の地肌が見える理由は、一つではありません。
例えば、次のようなことが考えられます。
- つむじの渦によって、もともと地肌が見えやすい
- 髪が細く、根元が寝やすい
- 髪が放射状に流れ、まとまりにくい
- シャンプー後など、髪が濡れて束になっている
- 頭頂部の髪のボリュームが以前より少なくなっている
理容室でも、つむじ周辺の地肌が見えることを気にされる方だけでなく、髪が立ち上がってセットしにくいという相談を受けることがあります。
髪が放射状に立ち上がっている場合は、カットによって周囲の髪となじませ、収まりやすくできることがあります。
一方、髪が細く、根元からぺたんと寝てしまう方は、同じような方法ではうまくいかないこともあります。
そのため、つむじの状態を見ずに、誰にでも同じカットをすることはできません。
理容師は、つむじのカットで何を考えているのか

まずは、希望する髪型を理解する
つむじが気になる方をカットするとき、私がまず考えるのは、薄毛を隠すことだけではありません。
お客様が、どのような髪型にしたいのかを理解することが先になります。
自然に髪を寝かせたい方もいれば、トップにふんわりとボリュームを出したい方もいます。
また、仕事中は髪を寝かせて落ち着いたスタイルにし、休日はワックスなどを使って髪を立ち上げたいという方もいらっしゃいます。
このような場合は、どちらのセットにも対応できる長さを考えてカットする必要があります。
髪が立ちやすい方は、短くすると休日には立ち上げやすくなりますが、仕事中に寝かせようとしても、うまく収まらなくなることがあります。
反対に、長さを残しすぎると、髪が寝てしまい、ボリュームを出しにくくなる場合があります。
つむじだけを見るのではなく、希望する髪型と普段のセット方法まで考えることが大切です。
つむじの位置・毛流れ・髪質に合わせて調整する
つむじの位置や毛流れは、人によって違います。つむじが2つある方もいれば、髪が放射状に広がりやすい方、細く柔らかい髪が寝てしまう方もいます。
さらに、髪の量や白髪の生え方、後頭部の形によっても、カットの方法は変わります。
例えば、トップの長さが同じでも、つむじ周辺を同じ長さにすればよいとは限りません。
私の場合、つむじ周辺を少し長めに残すことで、ふんわりとさせやすくすることがあります。また、後頭部が平らな、いわゆる絶壁の方では、後頭部上部にボリュームを持たせるため、クラウンと呼ばれる部分に長さが必要になることもあります。
その場合は、クラウンだけでなく、つむじ周辺の長さも全体のバランスに合わせて調整します。
トップが5cmだから、つむじは必ず6cmにすればよいというような、すべての方に当てはまる決まりがあるわけではありません。
髪質や髪型によっては、同じ長さがよいこともあれば、もう少し長さを残したほうがよいこともあります。
長年カットしてきた経験から、その方の髪がセットしたときに収まりやすい長さを考え、調整しています。
つむじを短くすれば、目立ちにくくなるとは限らない
つむじが気になると、そこだけ短くカットしたくなる方もいるかもしれません。
確かに、髪型によっては、つむじ周辺を短くすることで目立ちにくくできる場合があります。
ただし、短くしすぎると、別の問題が起こることもあります。
短く切りすぎて、髪が立ち上がってしまった例
以前、サイドや後頭部を短く刈り上げるスタイルで、つむじ周辺の毛流れの一部が刈り上げた部分にかぶさり、立ち上がってしまうことがありました。
そこで、その部分の髪を短くカットして収めようとしたのですが、短くしすぎてしまいました。
カット直後はよくても、1週間ほど経過すると髪が伸びてきて、中途半端な長さになり、かえって収まりにくくなったのです。
ある程度の長さがあれば、ワックスやジェルなどでセットして収めることもできます。
この経験からも、つむじ周辺は、その場で収まるかどうかだけでなく、髪が伸びてきたときにどうなるかまで考える必要があると感じています。
つむじの毛流れが、刈り上げの難しさにつながることも
片側を特に短く刈り上げ、上部の髪を寝かせる「震災刈り」のようなスタイルでは、つむじの下あたりまで刈り上げることがあります。
このような髪型では、つむじから流れてくる髪が刈り上げ部分にかぶさったり、立ち上がったりするため、毛流れを考えた調整が必要です。
つむじ周辺も短く刈り上げる方法はありますが、どのような髪型が合うかは、その方の髪質や毛流れ、希望するスタイルによって変わります。
短くすることだけを考えるのではなく、全体として自然に収まるかどうかを考えることが大切です。
つむじを隠そうとして長く残しすぎるのも注意
つむじの地肌が気になると、できるだけ髪を切らず、長く残したくなる方もいらっしゃいます。
その気持ちはよく分かります。
しかし、髪が長ければ必ず地肌が目立ちにくくなるというわけではありません。
髪が細く、根元から寝やすい方の場合、長く残した髪がぺたんと寝てしまい、かえってボリュームが出にくくなることがあります。
実際に、つむじ周辺を長く残していたお客様で、髪が寝てしまい、地肌が目立ちやすくなっていたことがありました。
そのような場合、次のカットでは状態を見ながら長さを調整し、必要に応じて梳きバサミを使い、髪が立ち上がりやすいように工夫することがあります。
ただし、梳きバサミを使えばよいというわけでもありません。
梳きすぎると髪の密度が少なく見え、かえって薄く見える場合があります。
私の場合は、梳く量を一度に増やさず、少しずつ調整しながら、その方に合ったバランスを探していきます。
頭頂部全体の薄毛が気になる場合
つむじだけでなく、頭頂部全体の薄毛が気になり、上部の髪をできるだけ長く残したいという方もいらっしゃいます。
そのような場合は、ご希望を伺いながら、トップの髪を残し、サイドや後頭部の長さを調整して、全体のバランスを整えることがあります。
お客様によっては、前髪やサイドの一部の髪を利用して頭頂部をカバーし、スプレーやハードムースなどでセットを保ちやすくする方法を選ぶこともあります。
ただし、髪を長く残して隠す方法が、すべての方に向いているわけではありません。
髪質や毛量によっては、長く残すことで髪が寝てしまうこともあります。
どこを残し、どこを調整するかは、頭頂部だけでなく、側頭部や後頭部も含めて全体を見ながら考える必要があります。
つむじが気になる方の、自宅でのセットのコツ

カットで髪を収まりやすく整えても、毎日のセット方法によって仕上がりは変わります。
私がお客様にお伝えしているのは、整髪料を付ける前の、ドライヤーで乾かす段階が大切だということです。
1. ドライヤーで根元に方向性をつける
トップにふんわりとしたボリュームを出したい方には、ドライヤーで乾かすときに、指で髪を握るようにしながら、根元を立ち上げることをお伝えしています。
髪がある程度乾いてきたら、少し水分が残っている状態で、指を使って髪の根元を持ち上げたり、流したい方向へ動かしたりします。
最初から髪をぺたんと寝かせて乾かしてしまうと、あとからボリュームを出すのが難しくなることがあります。
そのため、まずはドライヤーで根元の方向性をつくり、そのあとで全体の形を整えるようにします。
2. 整髪料は、作った形を整えるように付ける
ワックスなどの整髪料を使う場合も、最初から髪を押さえつけるのではなく、ドライヤーでつくった方向性を生かすように付けます。
私がお客様に説明するときは、最初に少し大きめに髪を立ち上げるようにセットし、そこから希望するボリュームに調整していく方法をお伝えすることがあります。
ただし、整髪料の種類や付ける量によっても仕上がりは変わります。重くなりすぎると髪が寝てしまう場合もあるため、少量から調整するとよいでしょう。
ワックスと薄毛の関係や、整髪料の使い方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

ベリーショートは、つむじが気になる方に向いている?

つむじ周辺をかなり短く刈り上げるベリーショートやスポーツ刈りでは、長い髪がつむじを覆う状態が少なくなるため、髪型によっては地肌の見え方が気になりにくくなることがあります。
実際に、つむじが薄くなっていても、短く刈り上げたスポーツ刈りが自然に似合っている方もいらっしゃいます。
ただし、短い髪型がすべての方に向いているわけではありません。
私の経験では、髪質や毛流れだけでなく、顔立ちや全体の雰囲気、仕事上の印象なども、髪型を決めるうえで大切です。
短くしすぎると、顔が大きく見えるように感じたり、雰囲気が強くなりすぎたりする方もいます。
また、短く刈り上げると、髪が伸びてきたときに周囲との長さの差が目立ちやすく、こまめなカットが必要になる場合もあります。
私自身も、流行している髪型だからという理由だけで、すべてのお客様に同じスタイルをおすすめすることはありません。
大切なのは、つむじを目立ちにくくすることだけでなく、その方に似合い、日常生活でも無理なく続けられる髪型を選ぶことだと考えています。
つむじが気になるときは、理容師に相談してみましょう
つむじ周辺の髪は、毛流れや髪質、毛量、頭の形によって、適した長さやカット方法が変わります。
短くすればよい、長く残せばよいという単純なものではありません。
また、カットした直後だけでなく、数日から数週間経過したときに髪がどのように動くかも考える必要があります。
理容室で相談するときは、次のようなことを伝えてみてください。
- つむじのどの部分が気になるのか
- 髪を寝かせたいのか、ふんわりさせたいのか
- 朝のセットにどのくらい時間をかけられるか
- 仕事中と休日で髪型を変えたいか
- 短い髪型にしたいのか、ある程度の長さを残したいのか
希望を伝えていただければ、それを踏まえて髪質や毛流れに合う方法を相談しやすくなります。
なお、以前より急につむじの地肌が目立つようになった、抜け毛が増えた、頭皮にかゆみや赤みがあるなどの場合は、カットだけで解決しようとせず、必要に応じて皮膚科などの医療機関に相談することも大切です。
まとめ|つむじを目立ちにくくするには、全体のバランスが大切
つむじ周辺の地肌が気になると、髪を短くしたり、反対に長く残したりしたくなるかもしれません。
しかし、実際には、つむじの位置や毛流れ、髪質、毛量、頭の形、希望する髪型によって、適したカットは変わります。
私が40年以上理容師としてカットしてきた経験からも、つむじだけを見て決めるのではなく、トップやクラウン、サイド、後頭部を含めた全体のバランスを考えることが大切だと感じています。
そして、自宅でセットしやすい髪型にするためには、カットだけでなく、ドライヤーで根元の方向性をつくることも重要です。
つむじの見え方が気になる方は、無理に隠そうとするだけでなく、ご自身の髪質や毛流れに合った髪型を理容師と相談してみてはいかがでしょうか。
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